いつもご静聴ありがとうございます。
朗読第41弾、お届けします。
かの名作。太宰治の『走れメロス』をチョイスしました。前回に引き続き、30分オーバーの長丁場でしたが、なんとか読むことができました。
いつの時代も、信頼を築くことは、それこそ一生をかけていくものですが、失うのは一瞬。そこから再び築き上げていくのは、もはや無謀・不可能とも言われています。
己の命を燃やし、己の全てをかけて、友の元へ走るメロス。その姿は、きっと皆様の胸をうつでしょう。
タイトルの走れメロスは、一見すると第三者がいっているものだと、初めて読む人はそう思うかもしれませんが、作中でもあるとおり、メロス自身の内なる声、さまざまな障害を乗り越え、最期まで諦めまいとする彼の心の叫びであったことがわかります。
たんに明るいだけでなく、不安や恐れ、迷い。
苦難に耐え、そこから這い上がる意思の強さが、この作品を名作足らしめていると言えると思います。