アンティークにこだわるおっとり系彼女
ここ結構穴場だったね。
時計の針の音が聞こえてくるくらいに
静かだね。
このお店、
近くには
チェーン店のカフェがあるし、
ちょっと気付きづらいかもね。
なんか得した気分！

あっ、はい、
後で注文します。

ねぇねぇ
なんかここの店主
喫茶店のマスターって感じだよね。
こういう空間で
本を読みながら
アフォガードに
コーヒーを飲んで、
ていうのも好き！
キミはどう？

あー、
なるほど。
空間の雰囲気が好きなんだね。
まあその割にはキミの部屋は散らかってて。
空間設計以前の問題が…。

え、部屋は諦めたって。
以前は
オシャレな小物とか買ってたじゃん、
もったいないよ！
もー、今度行った時に
掃除するからね！
でもさ、
ここ、古い雰囲気あるけど
綺麗にしてあるよね。
これとか、形が変わった椅子で
掃除しづらそうなのにね。
ていうか、この椅子
革張りじゃなくて
木でできてるけど
あんまりお尻が痛いわけじゃない。
不思議な椅子。
なんかずっと座ってられそう。
あそっか注文まだだっけ。
よしっ、先に注文してから椅子を楽しもう！

すいません。
コーヒーとシフォンケーキを二つずつ。
はい。
あと、
この椅子座り心地いいですね！
うん、
へー、
あ、そういうこだわりがあるんですね！
素敵です！

ねぇねぇ、
さっきの話聞いた！

え？
ツッコミどころそこ？
だって、アフォガードなかったもん。
だけどやっぱり甘いもの欲しくて
って、もー、話脱線しちゃったじゃん！
さっきの話！
この椅子かなり古いもので
わざわざアンティーク家具屋さんから
取り寄せたんだって。
どうしようかな、
家の椅子もひとつ取り替えよっかな…。
でも値段がね、結構するんだよね。

うーん、
キミの家のイスは
要らないかな。
だって
あれアンティークじゃなくて
ただ古くてギコギコ言うだけじゃん！
もう少し
真面目に話してよ！
なんか他にいいアンティークもってないの？

え？
そうなの！
うん、コーヒーカップは欲しいかも！
まあ流石に
ちょうだいとは言えないけど、
うん、今度持ってきてね！

え！今は場所がわからない？
そっか、あの家だもんね。
仕方ない、
ここは一緒に掃除して
綺麗な器で
コーヒーを優雅に飲むんだよ！