ここ数週間、退院したはずの病院に未だ通っている。
入院中に知り合った女に弱みを握られたせいだ。
「取引」という名の厄介な約束事。守る必要はないのだが、不良になってから性格に刻みこまれた律儀さが背を向けることを許してくれない。仕方なく今日も清潔なロビーを横断する。
薬品臭い廊下をのそのそ歩いていると、やがて病室の前に着いた。
ノックをする。
「……俺だ」
「はい」
すーっとドアが横にスライドして、頭と腕、そして目を包帯で覆った女が現れた。
ギュ、ギュイと車椅子の軋む音。
「……屋上行こっか」
俺達は真っ赤に照らされた廊下を進み始めた。
◆
はい謎設定!!
不良少年と盲目少女の物語です。実際に目をつむりながら話してみました。
喧嘩で骨折した不良が、入院先の病院で少女と出会います。ちなみに少女の方が少し年上、お姉さんです(°∀° )
アニメというより実写ぽいですねヽ(´▽`)/
よろしくお願いします*˙︶˙*)ノ"