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小野瀬に強引に屋上へ連れてこられて30分、
ようやく俺の頭は冷えた。
給水塔の壁にもたれて力なく座り込む俺に対し、小野瀬は時折暑いと呟きながら辛抱強く俺が落ち着くのを待っていた。
頭の中は後悔でいっぱいだった。
何故あいつらに掴みかかったのか。いつも通り放っておけばよかったのに。
理由はわかっている。
認めたくないが。
俺はどうでもよかったのではない。人より少しだけ我慢が出来ただけだ。目の前で繰り返される罵詈雑言に、人より少しだけ、冷静でいられる時間が長かっただけのこと。
ーーーー結局。
どう外面を繕っても自分は不良なのだ。
だから小野瀬に名前を呼ばれるまで理性を取り戻せなかった。
のろのろと顔を上げる。
踊り場の自販機に行っていたらしい小野瀬が、小走りに俺の元へ戻って来た。
気まずさに呼応するように、手の傷がじくりと鈍く痛んだ。
目が合う。
先に口を開いたのは小野瀬だ。
あの男勝りな口調。
「な、気分落ち着いたか?」
ー ー ー ー
はい謎設定!!
不良:柳鳴 千治(ヤナリ センジ)
お節介:小野瀬 夏奈(オノセ ナツナ)
よろしくお願いします*˙︶˙*)ノ"